くわうほう

使ひます

平成二十七年音樂雜感

一昨年の夏ごろ、俺は音楽データのダウンロード購入はしてゐないんですよー、なんて半ば得意げにしたり顔でCDショップ「ファイルアンダー」の店主に語つてゐた、その少し前のこと、外附HDD が壞けて溜めてゐた曲データも一緒に吹飛び俺は泣いた。デジタルデータに信頼できるところなんて無いと思つてゐて(それは今でもだが)、當時はほぼ全て買つたCD からリッピングして曲を聽いてゐた。結局それつてCD で聽いてゐなくね……!? はい
去年も例年通り五百枚以上所有するアルバムデータが増えたらしいが、その半分以上がダウンロード購入して手に入れたものばかり。それでも少しはCD を買ひ續けたのは上前津サウンドベイリパブリックのあつたことが大きかつたと思ふ。この店の二階には「音響」コーナーとJ「音響」コーナー言ふのがあつて、新譜と中古がごちやごちやに入つてゐていつ行つても何か發見することができた。後は「クラブ」の棚と「辺境」の棚、「80sから現代」の棚を見、一階の「Jポップ」の棚を見ればだいたい滿足できた。でもこの名古屋で一番の店は去年の十二月二十七日で閉店した。閉店前セールの十二月中、何か月ぶりかに店へ行き、駆込みでCD を十枚以上漁つた。ついこの間、數年前まで、そんな風に訣も分らず一度に十枚以上CD 買ふのは普通のことだつたつけ……。今後あんなに一度にCD を買ふことはあるだらうか?
後、上前津には前述のファイルアンダーもあるが、サウンドベイの閉店により上前津大須に寄る大きな理由が無くなつた今、余程氣に入つたもの以外はダウンロードで濟ませてしまふことになると思ふ。といふか去年既にかなりさういふ風だつた。Amazon MP3 とBandcamp で。iTunes Store は使つたことない。

ぐだぐだ書いたが本題。近頃エキゾ嗜好が強くなり、愛聽盤もそんな感じ。去年みんなより三四周回くらゐ遲れてヴェイパーウェイヴに突入した俺だが、ヴェイパーウェイヴど真ん中といふ樣なアーティストのものは結局ほとんど聽いてゐないことに氣づいた。といふかジャンルに氣づいたときにはすでに下火だつた。うう。

順番、番号付は便宜上のものであつてほとんど意味はない。

beipana / Lost in Pacific

Lost in Pacific

Lost in Pacific

マジで蕩けてしまふスティールギター美メロの連續 これぞ極樂の音色に違ひない

András Fox / Soft Illusion

Soft Illusions

Soft Illusions

これも本當に素晴しい柔らかさしなやかさ 何も考へたくないときに聽け

The Cyclist / Bones in Motion

Bones in Motion

Bones in Motion

不氣味な濁つた美しいサウンド ドローンでいいのか? 違ふか

Torn Hawk / 泣きながら腕立てしようぜ

變な題名! VHS映像を偏愛する映像作家でもありヴェイパーウェイヴに近いアーティストだつたLuke Wyatt が名義を變へ、よりクラウトロックに近い手法をとり包込んでくる樣な強制的に浸込んでくる樣な……宇宙の音を奏でてくれる だからこちらはサンプリングミュージックといふかヴェイパーウェイヴらしさはあんまりしない The Emeralds 周邊が好きなら間違ひなし

Glassine / Looking Down EP
Looking Down EP | glassine
何度も何度も何度も何度も聽いてしまふ極上のチルアウトサウンド 俺は疲れてゐるのか?