くわうほう

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平成二十五年に買つた本三選

  • 深緑野分『オーブランの少女』東京創元社、平成二十五年

オーブランの少女 (ミステリ・フロンティア)

オーブランの少女 (ミステリ・フロンティア)

飜譯されたやうな固めといふか堅實な文章、練つた設定とアッと言はせる展開、容赦ないところがあるがユーモアもあつて……。収録された短篇中篇どれも推理小説として、だけではなく物語として愛おしい。収録作甲乙つけがたいが、個人的なお薦めは『仮面』『片想い』『氷の皇国』ですね絶對!

  • 米澤穂信『リカーシブル』新潮社、平成二十五年

リカーシブル

リカーシブル

傳奇的趣向と姉弟の運命が重なつて語られる味はひ深い一冊。登場人物の打算、驅引き、その強かでギリギリの生き方に壓倒されてしまつた。ふたりの未來に幸ひを願はずにはゐられない。

  • 志岐祐一、内田青蔵、安野彰、渡邉裕子『世界一美しい団地図鑑』エクスナレッジ、平成二十四年

世界一美しい団地図鑑 (エクスナレッジムック)

世界一美しい団地図鑑 (エクスナレッジムック)

豐富な寫眞で樂しめるだけの一冊ではない、かなり濃い内容だつた。最近ほんの少し鐡道文化に興味を持つ一人として興味深かつた。感化されて防災團地まで見に行つちやつたよ!
漫畫篇

最高のエロ暴力漫畫だ! 姉妹篇の『オーディナリィー±』も讀んだけど語り口の差に驚いた。

  • 岡崎かおり『神様がうそをつく。』講談社

大人びた少女に一人で背負ふには過大な背景があつた。繪の繊細なタッチで少女の逞しさと儚さが増して……いい……。なんとなく映畫的なつくりだと思ひました。

  • るなツー『女子のてにをは』小学館

女子のてにをは 1 (1) (ビッグコミックス)

女子のてにをは 1 (1) (ビッグコミックス)

ちよつと奇妙で女の子が可愛い! 可愛い! 可愛い! 文句なしです!
あとこれも奇妙な語り口の白井もも吉『みつあみこ』とか嫌味にならない下ネタ漫画宮原るり僕らはみんな河合荘』にもドハマリしました。あと高畠エナガいいよねいい…。モリエサトシ星空のカラス』とかハトポポコとか少女が主人公の漫畫はいいですね! あと怪作おがわ甘藍『ママはチャイドル』も見逃せないね!
そんなぼくの今年買つた漫畫の第一位は!
湯浅ヒトシ『けずり武士』双葉社
けずり武士(1) (アクションコミックス)

けずり武士(1) (アクションコミックス)

登場人物の輕妙さと激動の時代を描くダイナミックさが好印象! 幕末は全然知らないがかなりしつかりと調べて描いてゐると思ふこの一作が一位ですね絶對!