くわうほう

使ひます

平成二十六年に讀んだベスト本

去年のベストはこれ。

今年の俺は(も)いろいろと低調だつたなあ。本も碌に讀めなんだ。特に小説。
今年も本と漫畫、選ぶ。

  • 呉座勇一『戦争の日本中世史』新潮選書

戦争の日本中世史: 「下剋上」は本当にあったのか (新潮選書)

戦争の日本中世史: 「下剋上」は本当にあったのか (新潮選書)

これは生きるための歴史。
中世史研究史を踏まへて讀めると面白い。

満願

満願

作者のストーリーテラーぶりが遺憾なく発揮された充實の短篇集。直木賞詮衡で批判された「万灯」だが一番切實に沁みて面白かつた。「柘榴」は怖い。「夜警」はとにかく驚いた。「関守」は笑つてしまつた。

二度目の仕事-日本凡人伝 (新潮文庫)

二度目の仕事-日本凡人伝 (新潮文庫)

猪瀬のインタビュアーとしての才を感じた。絶妙に挑發的で相手からどんどんと本音を引き出してくる手際。ただ、ちよつと輕薄すぎるかもしれない。あと『凡人伝』と銘打つても凡人ばかりをインタビューする訣ではないつてのもどうなの杉浦茂とか安東仁兵衛とか高森朝樹(梶原一騎)とか! でも面白いんだからいっか。
全部新潮つて……。
漫畫篇

可愛い繪に……、油斷するなよ!

りびんぐでっど!』みたいなコミカルを書かせてもよし! 『フラグタイム』の樣な飛び切りの青春ストーリーも書かせてもよし! 主人公の視點を別の角度から見ると……といふところの妙味は今年のこのマン一位の『ちーちゃんはちょっと足りない』にも通ずるかもしれないしさうでもないかもしれない秋田!

これは良かつたです。百合を題材にして陰なくキラキラの世界を描くつていふのはそれはそれで胆力がいることではないだらうか。女子高だから? 女子高だからか? ファンタジーだと思へばいいのか?
『フラグタイム』と『あの娘にキスと白百合を』並べといて何ですけど普段あまり百合物讀まないんですよぼく。それだけ百合キテル…って年だつたかもしれない
そんな僕が選ぶ平成二十六年第一位は……!

  • 瀬口忍『畳の花道』

畳の花道 1 (villagebooks COMICS)

畳の花道 1 (villagebooks COMICS)

こんなに馬鹿馬鹿しい法螺話を上手い繪でみせてくれる! はつきり言つて大變にくどい内容なんですけど、だから俺はノックアウトされました。あと無茶苦茶で我武者羅な内容に奮へました。天然物の樣に見えるカラッとした獨特な能天氣さは今の連載作の『囚人リク』にはあまり見られないんだよなあ。
ですね絶對!