くわうほう

使ひます

小説なぞ

まあ、いはゆるライトノベルを、よくよみます。最近はさうでもありませんが。最近よみました。

狼と香辛料 著:支倉凍砂電撃文庫

なかなかなできた作品で、既刊四冊を一氣によみました。あるひとは、この小説を、西洋中世ファンタジーナニワ金融道、と。いや、でも、この作品は、戀愛、男女の仲が主題なんだ、とぼくは認識してゐます。つまり、主人公の商人のロレンスと狼のホロとの。よくできた小説なんですが、あるひとは、ことばづかひがなつてゐないと仰います。いや、ある人つて野嵜健秀さんですが。たしかに、一巻目、ぼくがよんだ七版目でも、誤字を一箇所、ことばの誤用を一箇所みつけました。なんだつけ、今探してゐます、……、あ、別にまた一箇所みつけた。三百十六ページ「怜悧」の振り假名が「えいり」になつてます。ま、こんな誤字なんかどうでもいいかもしれんが、「すべからく」の誤用はすべからく訂正すべきかもしれません。呉智英に毒されとるかもしれません。

よくできた小説なんですが、四冊一氣によむと(そんなよみかたするお前が惡い)、戀愛小説だで、もたれる感覺はあります。ふたりのかけあひがたびたびあるのですが、それがくどく感じるときがある。ぼくは戀愛小説を全然よまんので、特にそんな風におもふのかもしれませんが。でも、そんなぼくでも四冊一氣によめたのは、やはり、よくできてゐるから。よく、はなしが練られてゐるから。構成がうまいから。ロレンスの商賣の世界、またはそのたびたびの危機と、ロレンスとホロの仲、またはその危機が、うまく結びつき、絡んで、毎回おもしろく、破綻なくまとめられてゐるのが、すばらしいです。

が、五巻をよむのは(まだでとらんけど)、すこし時間をおきたい……。電撃文庫だし、すぐ次がでるんだらうなあ。