くわうほう

使ひます

名古屋平成中村座

行つてきた。みなさんうまかつたし良かつたのだけれど、良くなかつたこともあつた。梅席を買つたのだが、そこが、舞台下手二階左二列目のところ。
ここは、舞台が見えない。椅子から立たないと見えない。そして立つと、後ろの席のひとがより見えづらくなつてしまふのである。
見得をきつたり、立廻りをしたり、とにかく見なければならない場面になると、左二のひとみなが立ちあがるし、前の左一のひとはやつぱり見えないから身を乘り出すし、見えないからぼくも立たざるを得ないし、すると後ろの人の邪魔になるし……。もちろん花道も花道を通るその役者の頭しか見えないし……。
あれは、設計ミスである。舞台から段々狭まる臺形にして欲しかつた。でも、今さらどうにかしてほしいと言つても、假設の小屋だし、どうにもならないよなあ、ああ。